競売で落札されなかった場合は?
競売にかけられた物件が、すべて落札されるというわけではありません。
というのも、競売というのは基本的には「家の公開オークション」みたいなものなのですが、その入札額はいくらでもいい、というわけではないからです。
競売では物件ごとに「売却基準価額」というものが設定されており、入札額として受け入れられるのは、その売却基準価額の2割引まで、というのが一般的なんです。
そのため、買い手が「売却基準価額から2割安く買ったとしても、割に合わない」と思ったら入札そのものを控えるわけです。
こうして、入札がなかった競売物件については、当然ながらいったんは「売れ残り」状態となり、住宅ローン滞納をしている物件所有者は、「競売物件が売れなかったから、引き続きその家にまだ住める」ということになります。
しかし、「まだ住めるのか、ラッキー」と喜んではいられません。売れなかった物件は「特別売却物件」として再度競売にかけられます。そして売れなければ売れないほど、物件の価額も引き下げられていきます。とにかく売れるまで、競売を繰り返すほど価額は下がり続けるのです。
競売での売却代金が安くなればそれだけ、住宅ローンと相殺できる金額も減り、多くの残債が残ることになります。
つまり競売で売れなかった物件は「まだ住める」という楽観的な状況で見られるものではなく、「これでまた残債が増えることが確定した」という状態に突入したものと認識する必要があるわけです。
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