「親の介護で借金生活に…」自宅を任意売却や競売にかける人が増加している事実

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忍び寄る新たな破産の形…「介護破産」で家を手放す人が増加中

親の介護でローンの返済計画が破綻し、自宅を手放さざるをえなくなった「介護破産」が静かに増加中です。

2014年10月現在、「介護破産」というキーワードで、Google検索をかけると、Googleは勝手にキーワードを変更し、「介護破綻」という項目の記事を表示します。

これは国の介護保険の危うさを指摘している記事ですが、所詮国の方針ですので一般人がいくら文句を言っても始まりません。

そんな「介護破綻」より、一般には注目されていないのが「介護破産」です。

これは介護によって経済状態が悪化し、破産に追い込まれるケースになります。実はこの「介護破産」は2010年頃から密かに増え続けている他人事ではない問題なのです。

消費税が10%になる前に、家を買おうかと考えている人もいるのでは? しかし、一方で30~40代の間で住宅ローンが払えなくなる人が増えている。いったい何が起こっているのか? ふとしたことから家を失った人たちを取材してみた。母親が倒れ、ついに自宅は競売に…“介護破産”が急増中 Yahooニュース(2014年10月15日)

住宅ローンの返済が上手くいかない理由は不況だけではない

アベノミクスがどの程度うまくいっているかは不明ですが、長引いてきた不況のせいで、住宅ローンが破綻するケースは以前から問題になっていました。

住宅ローンを組む時に、将来的に自分の給料がアップすることや、ボーナスをあてにした返済プランを組んでみたものの、給料は上がるどころかジリジリと下がり、ボーナスはゼロといった事は珍しくはありません。

もっと酷い場合は会社が倒産したり、リストラに遭って正社員から非正規の立場になってしまって、収入は激減してしまった人も数多くいます。

そんな経済状況の悪化だけでも住宅ローンの返済には、大きな打撃を受けるのに、さらに親が倒れて介護が必要になるといった、まさに“泣きっ面にハチ状態”になっている人も増えているのです。

介護による負担の増加で破産するのが介護破産

親に資産があれば、そうした苦境も乗り越えられるかもしれませんが、少なくとも子供世代は親の時代より豊かになった人は少なく、親の介護に手を取られることによって、益々収入は減少して借金を重ねることになります。

そして収入以上に出て行くお金がある場合、いくら借金してもいずれは破綻するわけです。

そうなると自宅のローンは滞ってしまうわけで、放っておけば債権者によって自宅は競売にかけれて人手に渡ってしまい、借金だけが残るという悲惨な結果に終わってしまいます。

破綻の引き金が不況による収入源ではなく、親の介護による負担の増大だった場合、これを「介護破産」と呼ぶわけです。

住宅ローンが破綻した場合、ベストな方法は?

介護破産だけに限った話ではありませんが、住宅ローンが焦げ付いた場合、債権者は自宅を競売にかけて売り払うことによって、債権を回収しようとします。

裁判所が行う競売は、市場価格よりもかなり安値になってしまいますので、自宅を追い出された上に借金だけが残るという最悪のパターンになってしまいます。

そうした事態を避けるために、債務者ができる方法は競売にかけられる前に、自分で自宅を売却し、そのお金をローン返却にあてるという、「任意売却」がオススメです。

任意売却であれば、市場の適正価格に近い金額で自宅を売却できますので、仮にローン残高に届かなくても、競売にかけられるよりは借金の残高は圧縮できます。

また、売却先を家族や友人知人にした場合、家賃を支払うことによって、自宅に住み続けるという事も可能になります。

介護破産に陥った場合、任意売却がベストかどうかは人によって違いますが、少なくとも競売で自宅を手放すよりはベターな選択でしょう。

こちらの解説では、いかに任意売却のメリットが大きいかが分かります。

介護破産を回避する方法は、事前のチェックをすること

日本の高齢化は益々進み、今後介護破産は確実増えていくと思われます。

そうした破産に巻き込まれないためには、事前に親の資産状況をチャックしておく事です。

親が元気なうちに、もし介護が必要になったら、どの位負担が増えるか、増えた負担をどうやって補うのかという事を、家族と相談しておくといいでしょう。

親の介護が必要になったとき、自分の収入がどのように変化するかは、ケース・バイ・ケースです。

しかし将来的に負担が増えることを想定し、借金を減らして貯蓄に回せるように家計を検討し直してみましょう。

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