【住宅ローン】金利が一番減る「繰り上げ返済」のタイミングと方法

住宅ローンの繰り上げ返済時の注意点

消費税が8%になり数ヶ月経過しました。
また予定通り10%への引き上げをおこなうか、先送りにするかの信を問うために衆議院が解散総選挙を断行することになりました。

一般家庭にとってアベノミクスによる経済効果は感じづらく、増税による生活費負担ばかりが大きくなったことは言うまでもありません。
収入は変わらないのに出費が多くなるなんて困った話です。

住宅ローンへの影響も例外ではありません。

消費税増税による家庭負担が増加

消費税が直接的に関わるわけではないのですが、家計に間接的なダメージを与えているのは間違いないでしょう。

毎月の住宅ローンは厄介だけど、払わないと家が無くなる・・・、分かっていても返済は何かと痛手です。

そこで、注目されるのが「繰り上げ返済」になります。

住宅ローンの繰り上げ返済って?

住宅ローンを組んでいる方は一度くらいは検討したことがあると思いますが改めて説明すると、繰り上げ返済(繰上げ返済)とは元金の一部を前倒しで返済することによって金利(利息)を減らすという仕組みです。

これは言葉そのままですね。

もう少し細かくすると2つの手段があり、「期間を短縮する方法」「返済額を減らす方法」があります。

  • 期間を短縮する繰り上げ返済(期間短縮型)
    ・・・毎回の返済額は変えずに期間を短くする
  • 返済額を減らす繰り上げ返済(返済額軽減型)
    ・・・返済期間は変えずに毎回の返済額を少なくする

2つを比べると、期間を短縮する繰り上げ返済(期間短縮型)のほうが金利を少なくする効果に優れていると言えます。

期間短縮型の繰上げ返済で金利が減らせる

繰り上げ返済の原理は、「借入の残高が多くて、残りの返済期間が長い、金利が高い」といったケースで効果を発揮します。

つまり、その逆のケースだと効果が薄いというわけです。

[参考]「繰上返済」マイナビニュース
http://news.mynavi.jp/column/moneytechnic/006/

繰り上げ返済の例

それでは例を用いて金利がいくらくらい削減されるのか?を説明したいと思います。

例)借入金額:2,500万円、金利:1.5%、返済期間:35年、繰り上げ返済額:100万円の場合

借り入れ期間 期間短縮型で削減できる金利 返済額軽減型で削減できる金利
3年 58万円 27万円
5年 55万円 24万円
10年 42万円 20万円
20年 24万円 12万円
30年 7万円 4万円

※削減金額はおよそです

上記の通り、早い段階で期間短縮型で繰り上げ返済した方が金利を多く削減できます。
ただ、期間は短くなりますが毎月の返済額が変わらないので、不測の事態が発生した際に調整ができないデメリットもあります。

期間短縮型?返済額軽減型?どちらがいいの?

金利だけで判断すると期間短縮型だけど、事故や病気、子供の学費がかさむ等を考えると返済額軽減型の方が良いのかな・・・?と悩んでしまいますよね。

期間短縮型と返済額軽減型の選び方

それぞれの特徴はお分かりいただけたと思うので、どのようなメリットがあり、どのような人が選ぶべきなのか、をまとめてみます。

期間短縮型のメリットとオススメする人

  • 利息が大幅に削減できる
  • 残りの返済額を効率的に減らしていける
  • 予定よりも早い段階で完済できる

こんな人にオススメです!

  • 出来るだけ返済金額を安くしたい
  • 出来るだけ返済期間を短くしたい
  • 早期に老後の貯蓄を始めたい

返済額軽減型のメリットとオススメする人

  • 毎回の返済額が減ることで毎月の負担が少なくなる
  • 完済までの家計のやり繰りが安定する
  • 思いがけない出費があっても調整しやすい

こんな人にオススメです!

  • 将来に現在の収入が減る可能性がある
  • 月々の返済額を減らしたい
  • 教育資金などに備えた貯蓄をしたい

[参考]「住宅ローンの繰り上げ返済で得するワザ」プレジデントオンライン
http://president.jp/articles/-/11755

繰り上げ返済の注意点

繰り上げ返済は「元金を前倒しで払う」ことが大前提の条件です。

その結果、当然ながら家計の現金が急激に減ります。

繰り上げ返済は何回も行うことが可能なので、早期完済を目指すあまり繰り上げ返済を乱用してしまうと現預金がなくなり何にも備えられないリスクがあります。

繰り上げ返済を行ったことで家計が破産状態になっては意味がありません。

住宅ローンを乱用して破産状態に

ですから、繰り上げ返済を利用する際には特徴を理解したうえで、どちらを選択するのか慎重に検討するのが得策です。

家計に残す現金や預金とのバランスをとりながら計画的に活用するよう心がけましょう。

おまけ:住宅ローンの返済が厳しい場合

繰り上げ返済ができるくらい経済的余裕があれば全く問題ない話しですが、いつ住宅ローンの支払いが厳しくなるかは分かりません。

滞納や競売にかけられる最悪のケースを未然に防ぐために出来る事は沢山あります。

間違った方法を取ってしまうと、住宅ローン以外のローンにも影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。

[参考]
住宅ローンの返済が困難な場合
http://nini-baikyaku-kaiketsu.com/jyuutaku-loan/loanhensai/

任意売却解決ナビ – 住宅ローンのお悩み(滞納/返済/競売)と不動産売買を相談
http://nini-baikyaku-kaiketsu.com/

まとめ

いかがでしたか?

住宅ローンを組んでいる人であれば一度は考える繰り上げ返済。

日々の生活費や預貯金、削減したい住宅ローン金利などを十分に考慮して、どのタイミングでどの方法を取るかを検討してみてください。

無暗に繰り上げ返済を行って、“繰り上げ返済破産”に陥らないよう注意しましょうね。

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