任意売却の用語集
詐害行為(さがいこうい)とは[意味/説明/解説]
詐害行為とは、悪意を持って自分の財産を不当に減らし、本来支払うべきお金を支払えないようにする行為です。
「無い袖は振れない」という言葉がありますが、詐害行為は自らの意思により債権者(借金などをしている相手)を害する目的で、無い袖は振れない状態を作り出すことに他なりません。
詐害行為で多く行われるのは、無償での不動産の名義変更で、仮装譲渡と呼ばれますが、仮装譲渡に限らず債権者を害する行為なら、詐害行為に該当します。
ただし、他にも財産が十分にあって、債権者に返済できる能力があるなら、同じことをしても詐害行為にはなりません。
仮装譲渡の例としては、借金を支払えなくなって住宅しか財産が無いとき、そのままでは差し押さえられて競売されることを恐れ、差し押さえの前に家族や知人に名義変更するケースです。
名義変更しても借金まで付いてくるわけではないので、差し押さえを逃れて本人は自己破産し住宅を守ろうとするのです。
このような行為は、法律上でも道義上でも非常に問題があり、差し押さえの妨害や虚偽の名義変更(登記申請)は犯罪です。
また、その後自己破産すると詐欺破産として罪に問われるでしょう。
詐害行為が許されてしまうと、債権者は大きな不利益を受けることから、実は詐害行為をしても、債権者は詐害行為の取消しを裁判に訴えることができ、これを詐害行為取消権と言います。
取消し請求が認められれば、詐害行為によってされた不動産の名義変更(所有権移転登記)は取り消され、元の状態に戻りますから、前述の例では住宅は差し押さえられて競売にかけられます。
その結果、犯罪者になるだけではなく、守ろうとした住宅も手放す結果になるため、安易な思いつきで詐害行為をしても、何の得にもなりません。
どうしようもない状況の前に、弁護士へ相談して何ができるのかアドバイスを受けるべきで、人生の破滅を招いてから相談しても遅いのです。