ゴーストタウン化が進む日本!国内住宅の8軒に1軒は空家になっている
日本の空き家総数は820万戸!都市部でも空き家率は10%を越えた?
総務省が発表した「住宅・土地統計調査」に衝撃的な数字が出ました。
日本全国の住宅戸数6,063万戸のうち、空き家率はなんと820万戸で、全体の13.5%を占めていることがわかったのです。
つまり日本国内の一戸建て住宅で、8軒に1軒は誰も住んでいない空き家だということになります。
これは過疎化が進み、人口そのものが減っている地域に空き家が増えているということもあります。
しかし、空き家率の上昇は地方だけではなく、都市部の多い神奈川県でも11.2%と、10%を越えている地域もあるわけです。
空き家が10%以上という数字のリアルな見方
そんなに空き家が多いのなら、一般庶民でももっと手軽に一軒家が手に入りそうなものですが、なかなかそうはいきません。
そこには現実の空き家と統計上の空き家には違いがあるからで、総務省の統計で定義されている空き家とは、
- 賃貸物件でまだ借主が見つかっていない空き家
- 売却物件でまだ売却先が決まっていない空き家
- 別荘など定住者のいない空き家
- 跡取りがいないなど、所有者のいろんな事情で住んでいな空き家
となり、要はいろんな事情や目的で、定住者のいない住宅をすべて「空き家」としているわけです。
実際に賃貸物件としての空き家は、空き家総数のうち54%ほどですから、空き家とはいえ入居できる可能性のある物件は空き家率全体の半分程度だということになります。
その上、住みたい場所だとか築年数だとか条件を考えていけば、やはりいくら空き家が増えているとはいえ、条件に適った物件はまだまだ少ないでしょう。
空き家増加が抱える本当の問題は放置家屋
空き家増加に関して、一番問題なのは所有者が管理を放棄して放置されている「放置家屋」です。
放置家屋は定住者がいないだけでなく、所有者が管理を放置している住宅になります。もちろん賃貸するわけでもなく売却も考えていません。
もともとその家に住んでいた人が亡くなった後、跡取りの子供たちはすでに独立していて、別の場所に住んでおり、もうその実家に移り住むわけにはいかず、かといって幼いころ育った実家を人に貸したり手放したりするのは嫌で、そのまま何もしないで放置するというパターンの空き家です。
そうした調べれば所有者と連絡がつくのはまだいい方で、中には跡継ぎの子供も死んでしまって、もはや空き家の所有者と連絡が取れなくなってしまっているようなケースが、地方だけではなく都市部にも増えています。
放置家屋は管理者が不在になった家ですから、庭があれば雑草は伸び放題、台風や大雪といった災害で家が壊れても誰も直す人がいないので荒れ放題で家屋の劣化も早く進みます。
さらにホームレスが住み着くとか、放火のターゲットになるなど、地域の治安悪化に繋がってしまうわけです。
気づいてみたらアナタの家の周りはゴーストタウンに
こうした空き家問題は静かに確実に広がっています。
所有者の判らなくなった放置家屋は、地方だけでなく東京都内の結構な高級住宅街にすらポツポツ出現しており、気づいてみたら自分のうちの周りは誰も住んでいない放置家屋だらけだった…なんて時代がくるかもしれないのです。
ちなみに今の調子で新築住宅、新築マンションが増え続けると、30年後には空き家率はなんと43%にも達すると言われています。
アナタの住んでいる街がゴーストタウン化してしまうのは、絵空事ではないかもしれません。