任意売却の用語集
連帯保証人(れんたいほしょうにん)とは[意味/説明/解説]
親から「連帯保証人だけにはなるな」と、きつく言われて育った人もいるでしょう。
連帯保証人を引き受けたばかりに、多額の借金を背負い、人生が狂った人も世の中には多くいます。
住宅ローンでは、ほとんどが連帯保証人から保証会社に代わりましたが、現在でも契約時の連帯保証人がなくなったわけではありません。
例えば、Aさんが金融機関にお金を借りる申し込みをしたとします。
金融機関はAさんが支払えなくなって、回収できなくなるのはリスクが大きいため、「Aさんの代わりに支払いの約束をしてくれる連帯保証人」が必要だと言います。
そこでAさんは、金融機関の出す条件を満たすため、Bさんにお願いして承諾を得ました。
金融機関からお金を借りるのはAさんでも、Bさんも連帯保証人として契約書に署名捺印します。
Aさんの債務(借金)を連帯して保証するので、連帯保証人と呼ばれます。
連帯の付かない保証人でも同じような契約ですが、連帯の有無によって、全く責任の度合いが違う点に注意しなくてはなりません。
連帯の付かない単なる保証人は、やはりAさんが支払えなければ、金融機関に支払う義務を負います。
しかし、Aさんが本当は支払えるのに支払わないとき、保証人は先にAさんに請求してくださいと言えます。
ところが連帯保証人では、Aさんが本当は支払えるのに支払わないときでも、請求があれば全額を支払う義務を負います。
つまり、Aさんの借金と同額の借金を背負っているのと同じ状況に置かれるのが、連帯保証人の非常に恐ろしいところです。
Aさんからすると、自分が意図的に支払わず金融機関から督促があっても、無視し続けることで連帯保証人に請求がいきます。
そこで、連帯保証人の立場を悪用し、行方不明になって借りたお金だけ持ち逃げしてしまうケースが後を絶ちませんでした。
連帯保証人は、このような重い責任から、信用できる関係でなければ頼めず、多くは親などの近親者になるでしょう。
それでも、どうしても助けて欲しいと懇願されて、やむを得ず連帯保証人になった結果、他人の借金を背負うことになった人は数知れません。
「連帯保証人だけにはなるな」というのは、こうした事例を踏まえての先人の教えです。